繁殖をせずに自殺する生物っておかしくない?
リチャードドーキンス 利己的な遺伝子という考え方で有名な人がいます。
「利己的な遺伝子」は、生物学者リチャード・ドーキンスの著名な著書です。この理論は、生物個体の行動を遺伝子の視点から説明しようとするものです。
簡単にいえば、遺伝子は自らの生存複製を増やすために進化してきたものであり、その生物の行動を決定しているという考え方です。
仲間を助けたり、逆に天敵に向かって鳴き声をあげて獲物がここにいるぞって仲間を売るような事をしたり、仲間同士でケンカはするけど相手を殺しまではしない、などという行動は、自分自身や血統、種を守る事となります。
とにかく動物の行動は絶対的に生き延びて、種を残す事で何億年もかけて行動の変化や習性、体型も変えて生き続けてきました。
だったら、なぜヒトは自殺するのか?
利己的な遺伝子に乗っ取られたヒトだったら自殺なんてしたら遺伝情報がその場で途絶えてしまうではないか?
なにがなんでも生き延びて繁殖行動に突き進むはずではないのか?
しかし、そうにはならない。
ならない理由がある。
冷静に考えてみると、あたりまえなんだけど、
成人した男女が街中や電車の中で繁殖行為はしない、
野鳥や野良猫野良犬のように繫殖行為はしない、
そう、これが動物とホモサピエンスの違いなんです。
社会、倫理、マナー、文化、教養、時代、秩序…
挙げたらキリがないのですが、それらを創りだしたのが、ホモサピエンスなのです。
ホモサピエンスは遺伝子達の複製強要圧力をも押さえつける事の出来る力を手にしてしまったのです。
動物的本能よりも理性が上回る現象。
衝動的に、繁殖行為がしたい
けど…
電車の中だし、この人知らないし、みんな見てるし、警察に通報されるだろうし…
動物たちはそのような事は考えません。
本能的な行動をも押さえつけてしまう強大な力こそが次のテーマになります。
このような強大な力はホモサピエンスにどのような変化をもたらしたのかを見ていきましょう。