ミイラになりたい エジプト神話・アヌビス神

宗教

はじめに

どうもこんにちは、死テラシーブログへようこそ。世界の神話での死生観を調べるために、本を探していたらエジプト神話の死後の世界観がおもしろそうだったのでエジプト神話についてちょこっと紹介できたらな~なんて思っております。

生きていてもつまらない、毎日毎日同じことの繰り返しで自分が何のために生きているかわからない、なんて人は多いと思います。お気楽な猫になりたい、とか、鳥になってどこか遠くへ行きたいな。このように感じる事はありますよね。

もし、自分がミイラになったらどんな感じなのかな?想像してみたらおもしろそうじゃないですか?今をしっかりと生きて、死後復活できたとして、次の人生どのように生きていこうか…眠りながらゆっくり考える、なんだかロマンがありますよね~。

でしたら、ミイラになってみましょうよ、ミイラを作ってみましょうよ、ってなノリで古代エジプト人になったつもりで”死”を考えてみたいと思います。

 

 

エジプト神話・死んだらどうなる?

人間の死後はアヌビス神(死者の神・下写真)によって魂は冥界へと導かれます。冥界の王オシリス神は「審判の間」という場所にいます。姿はミイラそのものといった、いでたちです。その、審判の間で魂が消滅するか生き返るか、判断されます。方法は死者の魂を量る天秤(てんびん)で魂の重さを量ります。アヌビス神が天秤を扱って、トト神(知性の神)は記録係としてそこにいます。ちなみにトト神は賭けをして成功したという話も残されていて、スポーツくじのtotoはここからきているのかな?

具体的にどのような作法で審判が行われるのか。トト神が天秤棒を扱い、天秤皿の片方に死者の心臓を乗せて、もう片方の皿にマアト神(真実を見抜く女神)の羽を乗せて罪の重さを量ります。羽より心臓(罪)の方が重たければ、死者は永遠に消滅すると考えられています。

魂は、自分の命が軽くなれ~って必死に願うとちょっと心臓(罪)が軽くなるそうですよ。もし自分だったらって想像したら恐ろしいですね、脂汗タラタラ、漫画のカイジの世界ですね。恐ろしい…

羽より重い心臓はアメミットという怪物に食べられ、その魂は生き返ることができずに、永遠に破滅すると信じられていました。魂は永遠で死者は蘇ると考えられていた当時のエジプト人にとって、アミメットに心臓を食べられることは絶対に避けたいと考えていたことでしょう。魂が戻らなかったミイラはどうなってしまうのか?どうなんでしょう?

審判を受けて、OKだったら魂は復活が認められます、魂だけが現世に戻ってきても体が無くてはどうしようもないってことで、魂が体に戻ってこれるように死体を防腐処理して保存したのがミイラです。

さっそくミイラづくりを想像体験してみましょう

用意するもの

アヌビス神の仮面・カギ状の長い金属の棒・ナイフ・オイル・カノプス壺(下写真)・布(140m程度)・蝋(ろう)・ナトロン(重曹を含む鉱物)・樹の樹脂で作った防腐剤

作業の前に

作業中はアヌビス神の仮面をかぶり、呪文を唱えながらの作業になります。根気が必要になりますので、気を引き締めて作業に取り掛かりましょう。

第1工程…先がカギ状の細長い金属棒を鼻の穴から突っ込んで、脳を取り出しましょう。この作業は、遺体の状態によっては必要ない場合もありますので、適切に判断しましょう。次に左の脇腹をナイフでちょこっと開き、そこから内臓を取り出します。このとき心臓は体内に残しておくことを忘れないようにしましょう。心臓は知性の根源であり、魂の行きつく場所だからです。

第2工程…取り出した内臓はていねいにオイルで洗い、カノプス壺に入れましょう。カノプス壺はホルス神(天空神)の4人の子供たちの頭が装飾されてあります、内臓を守っています。

第3工程…内臓を取り出した体は傷を縫い閉じて、蝋で口をふさぎましょう。ていねいに洗って体内の余分な水分を抜くために乾燥をします。

第4工程…肉体の修復作業に移ります。人間の皮膚は水分が無いと縮んでしまうため、口の中や鼻の中に詰め物をして顔の形が崩れないようにしましょう。また、手足に布を巻きます、爪や指先が崩れないようにしっかり巻きましょう。

第5工程…布を全身に巻いていきます。体に合わせて幅や長さをを変えて巻いていきます。このとき使用する布の長さは140mほどありますのであらかじめ多くの布を用意しておきましょう。ミイラは医療用の包帯で巻かれていると思われがちですが、これは包帯ではありません。

第6工程…布を巻き終えたら、樹の樹脂をいろいろ混ぜ合わせて作った防腐剤を塗って作業完了です。

お疲れ様でした。

※注・ミイラづくりにはアヌビス神に守られている特別な場所、特別な建物で行う必要がありますので、アヌビス神と関係のない私有地や公の土地、自宅や倉庫等では絶対に作業しないようにしましょう。

※注・ミイラのままでは埋葬できませんのでご注意ください。「口開けの儀式」を行う必要がありますので、儀式を執り行う神官業者に埋葬を依頼しましょう。

まとめ

現在の研究では、古代エジプト人は死後の肉体、魂の行方は神々たちによって導かれ、審判され、再び生き返るのか、死滅するのか決定されると考えていたようです。

なんだか、ロマンを感じますよね。

古代エジプト人も現代人同様、様々な悩みを抱えて生きていたと思われます。永遠の命を求めて正直に生きようとしている古代エジプト人、想像してみると親近感が湧いてきます。

自分がミイラになることはできませんが、古代エジプト人が考えた「死者の復活」があり得ると信じることは、現代日本人でも持っていてもいいのではないでしょうか。

いまの人生が失敗だったとしても、いまを正直に生きて次の人生どのように生きようかと考えたなら、つまらない毎日だけど少しは実のあるものと感じることもできるのではないでしょうか。

”死テラシーを高めよう”

 

参考文献…世界の神々と四大神話・エジプト神話

編著・橘 伊津姫  たちばな いつき

 

 

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