毒入りシュークリームと自殺常備薬・ドリオンの薬
オランダでは安楽死は身近なものだという事(あるある)のようです。
学校の友達で、おじいちゃんの安楽死を見届けるために学校を休むなんてことはよくある事、友達がエイズに感染してしまい、様態が悪くなったので友達や親戚縁者を呼んで、皆で患者を囲んで友達の最期を見届けたというような安楽死に関する経験談を持つ人もいます。
オランダには安楽死は存在するが、いつでも誰でも安楽死がお手軽に実行されるなどという事はありません。安楽死に該当する条件がありますので、その条件をクリアしないとなりません。
また、自分自身安楽死や死生観を勉強して今の状況、医師の説明をしっかり判断できるような教養も必要なのです。
気になるのは安楽死を決行するときの方法ですよね。
安楽死と言っても医師が致死量の薬を注射で注入するような積極的に安楽死をさせる方法と、致死量の睡眠薬を混入させた飲食物を本人に渡して、自分のタイミングで睡眠薬入りの飲食物を飲食して、そのまま眠るように最期を迎えるような方法があります。
余談ですが、全ての方が確実に成功することでもないそうで、なかなか死に至らない場合や、はっきり目を覚ましてしまうケースもあるようです。
この本で登場する致死量睡眠薬入り飲食物は、シュークリームだったりお酒のジンだったり、薬を直接スプーンで口に入れて飲み込むという描写がありました。
私にはこの描写がよりリアルに伝わってきました。
普通の部屋の片隅に、致死量睡眠薬がある事がより死を実感できるような気がします。
手元に死があるという感覚は、今の日本には考えられないことです。
例えば、ナイフを使って体を傷つけたのならば、場合によっては死に至る事もあるでしょうが、その道具の用途は別のところにあり死に直結する感覚はありません。
しかし、人間を殺すためだけに存在する薬の
圧倒的存在感
死を感じずにはいられません。
ドリオンの薬という自殺常備薬思想があります。
元最高検事のハイブ・ドリオンさんとういう方が提案した考えで、
高齢者は自殺常備薬を持とうぜ
ってな考え方で、そんな思想を
ドリオンの薬(高齢者が自殺薬を保持する権利)
という表現をしています。
高齢者の自殺常備薬という事だけで、大体想像できますが、要するに他人の世話になるようになったら、自分の人生は自分で閉じようではないか、というものです。
もちろん賛否両論ありますよね。
だが、この薬は人生に絶望した人を死に誘い込むワナになりはしないだろうか、そんな疑問も浮かぶ。
引用・安楽死のできる国
一部の紹介に過ぎませんが、オランダでは死に関することが普段の生活にあります。
自分自身重い病気になったら、終末期にはどのような最期にしようかなどと、考える事は幼少期から物心ついた頃からあると思います。
死について考える、自分自身の最期をどうするか。
そのような事を考える事は今の日本でもできます。
今すぐにできますので、どのように生きてどのように死んでゆくのかを考えるきっかけになればいいかなと思います。
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