歳老いた親を殺せますか?延命治療と家族会議

介護・福祉

死んで後悔?生かして後悔?

人間はどのような結果になっても少なからず後悔をするようにできているものだと思います。

絶対にこれでよかったのだ!

と思い込むことは後悔を無理やり吹き飛ばそうとしている現れでもあると思います。

後悔は無くならないのであれば、どちらの後悔を選ぶという事を考えれば良いのだと思います。

カンタンに言ってしまうと、

A・治療をしないで死をそのまま受け入れる
B・治療をして死を一旦先送りにする

どちらの後悔を選びますかという事です。

もちろんAを選んだのなら、それでおしまいになります。

(治療をしないというのは、何もしないで苦しんで最期を迎える訳ではありません。緩和ケアと言って痛みを取り除きながら、治療をせずに最期を迎えるという事です。)

死の次はありません。

残された遺族はこれでよかったのかという葛藤は残るでしょう。

しかし、最期の最後まで意思の疎通ができ、思い出話もできる、友人知人に感謝を伝える事もできるという事は後悔以上のモノを与えてくれるはずです。

 

Bを選んだのなら、とりあえず次があります。

可能性という光がありますので後悔は少ないように感じますが、本人の心身は確実に衰えていき、最期はどのような事態になるのかわからないという事実はあります。

延命治療を一旦始めたのなら、治療を止める事はとても難しいからです。

医師が殺人罪になってしまう場合があるからです。

心臓が止まるまで、延命装置が働き続けるので、今さら本人の意思は関係ありません。

治療を行うという決定がなされた時点で

本人や家族の意思は確認されているからです。

Bには可能性もありますが、悲惨な結末で後戻りできないというリスクもあります。

高齢、痴呆、入院、延命治療とくれば、体調が良くなって家に帰って今までのようにのんびり趣味をして大往生なんてことはほとんどありません。

病院でベッドにからだを縛りつけられ、医療機械に囲まれて最期を迎える事もあるでしょう。

そもそも、身体は終焉を迎えたがっていますから、それを医療によって引き留めて死を先送りにしているだけの事です。

A・治療なし メリット
死を受け止めて延命治療をせずに、生のギリギリまでやりたい事をできる範囲でやる。
残された時間を家族や知人と過ごして、思い出や感謝の気持ちを分かち合える。
A・治療なし デメリット
治療をしなかったことが心に残る 殺したことになりうるかもしれないという葛藤
最期の最後に本人の意思に生きたいという変化があったのかどうかはわからない
B・延命あり メリット
もしかしたら今までのように、元気になるかもしれないという期待が持てる
とりあえず死というものから解放されて、気持ちを一旦落ち着かせることができる
B・延命あり デメリット
延命治療をして一旦は落ち着くがその後の事はわからない
治療がいつまで続くのかがわからない
死に時に最期の言葉が残せない事が多い

 

どちらの後悔を選ぶかその判断は急にはできません。

だから普段から死の話し合いが必要になります。

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